中小企業診断士 過去問
令和5年度(2023年)
問109 (運営管理 問18)
問題文
設備自動化のための投資案A、B、Cの割引回収期間を計算したところ、表1の結果が得られた。さらに、投資案を分析するために、投資案A、B、Cの中から任意の2つ(例えば、案Aと案B)を選んで初期投資額の差と経費節減額の差をとった追加投資案の割引回収期間を計算したところ、表2の結果が得られた。
各投資案の正味現在価値利益PA、PB、PCを大きい順に並べたときの順序として、最も適切なものを下記の解答群から選べ。投資の計画期間は10年間とする。
各投資案の正味現在価値利益PA、PB、PCを大きい順に並べたときの順序として、最も適切なものを下記の解答群から選べ。投資の計画期間は10年間とする。

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問題
中小企業診断士試験 令和5年度(2023年) 問109(運営管理 問18) (訂正依頼・報告はこちら)
設備自動化のための投資案A、B、Cの割引回収期間を計算したところ、表1の結果が得られた。さらに、投資案を分析するために、投資案A、B、Cの中から任意の2つ(例えば、案Aと案B)を選んで初期投資額の差と経費節減額の差をとった追加投資案の割引回収期間を計算したところ、表2の結果が得られた。
各投資案の正味現在価値利益PA、PB、PCを大きい順に並べたときの順序として、最も適切なものを下記の解答群から選べ。投資の計画期間は10年間とする。
各投資案の正味現在価値利益PA、PB、PCを大きい順に並べたときの順序として、最も適切なものを下記の解答群から選べ。投資の計画期間は10年間とする。

- PA>PB>PC
- PA>PC>PB
- PB>PA>PC
- PC>PA>PB
- PC>PB>PA
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この過去問の解説 (2件)
01
設備投資案を評価する問題です。
設問の内容から答えを計算して求めることは困難であるため、与えられている表から各投資案を評価しなければなりません。
表2の内容を解説していきます。
B-Aは、AをBに切り替える投資案です。
初期投資額の差額は500万円で経費削減額の差額は70万円/年になります。
割引回収期間が11.0年となっているので、計画期間の10年よりも長いことになります。
正味現在価値はマイナスになるため、この投資案は実行しない方が良いと評価します。
PA > PB という関係になります。
C-Bは、BをCに切り替える投資案です。
初期投資額の差額は1,500万円で経費削減額の差額は250万円/年になります。
割引回収期間が8.5年となっているので、計画期間の10年よりも短いことになります。
正味現在価値はプラスになるため、この投資案は実行するべきであると評価します。
PC > PBという関係になります。
C-Aは、AをCに切り替える投資案です。
初期投資額の差額は2,000万円で経費削減額の差額は320万円/年になります。
割引回収期間が9年となっているので、計画期間の10年よりも短いことになります。
正味現在価値はプラスになるため、この投資案は実行するべきであると評価します。
PC > PAという関係になります。
それぞれの投資案の関係をまとめると正解が導けます。
PC>PA>PB が正しい組合わせです。
本選択肢は不正解です。
本選択肢は不正解です。
本選択肢は不正解です。
本選択肢が正解です。
本選択肢は不正解です。
割引回収期間や正味現在価値は、財務・会計で頻出の論点であるので学習は必須です。
本問はその知識を活用できれば対応できた問題でした。
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02
投資案の評価に関する問題です。
表1では、投資案A、B、Cそれぞれの投資額が何年で回収できるかを示しています。例えば、投資案Aでは年間380万円経費を節減できるため、1,500万円を投資して4.9年目に収支がトントンになるという意味です。(投資案B、Cも同様の考えです)
表2では、表1の投資案A、B、Cそれぞれの差分を示しています。例えば、B-A案はB案-A案の額をそのまま引き算すれば「2,000-1,500、450-380」なので、「500、70」となります。B-A案の場合、追加的に500万円を投資すれば年間70万円経費を追加的に節減でき、11.0年目に収支がトントンになるという意味です。(その他の2つも同様です)
ここまでは2つの表を見れば分かりますが、ここからが非常に厄介です。本問で問われているのは、表2の案(2つの投資案の組み合わせ)で割引回収期間が短くて済む順番に並べた場合に、どの並びが正しいかというものです。
その観点で見ると、C-B>C-A>B-Aの順番となり、C案が最有力であることが分かります。この時点で選択肢が2つに絞り込まれます。
一方で、B-A案は割引回収期間が11.0年となり、与件文にある「投資の計画期間は10年間」をオーバーしてしまっているため、B案はもっとも優先順位が低いということになり、A案が次善の策となります。
冒頭の解説より、「PC>PA>PB」の組み合わせであるため不適切な選択肢です。
冒頭の解説より、「PC>PA>PB」の組み合わせであるため不適切な選択肢です。
冒頭の解説より、「PC>PA>PB」の組み合わせであるため不適切な選択肢です。
冒頭の解説より、「PC>PA>PB」の組み合わせであるため正解の選択肢となります。
冒頭の解説より、「PC>PA>PB」の組み合わせであるため不適切な選択肢です。
【補足】
本問が問うている意味を理解するには、本試験中の時間だけでは対応できなかった人もたくさんいたのではないかと思われます。(運営管理の試験時間は90分、例年40マーク前後出題されるため、見直しの時間も考慮すると1問に費やすことができる時間は2分以内です)
ピンときた人は対応できたかも知れませんが、勘やセンスが問われる内容でした。(オーソドックスな投資案の評価に関する問題とは異なり、ほぼ計算を必要とする内容ではありませんでした)
以上のような理由から、本問は悪問とまでは言いませんが難問あるいは「クセつよ」な問題であり、復習する必要はないと考えられます。本来は財務会計で出題される論点であるため、財務会計で出題されたオーソドックスな投資案の過去問題で復習してください。
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