クレーン・デリック運転士 過去問
令和3年（2021年）4月
問18 (関係法令 問18)

選択肢１は誤りです。

荷重試験は、デリックに定格荷重に相当する荷重の荷をつって、つり上げ、旋回及びブームの起伏の作動を定格速度により行うように規定されています。

選択肢文では、定格荷重ではなくつり上げ荷重となっているため、法令に違反します。

選択肢２は誤りです。

1ヶ月を超える期間使用せず、当該期間中に1ヶ月以内ごとに1回行う定期自主検査を実施しなかったデリックについては、その使用を再び開始する際に、所定の事項について自主検査を行うように規定されています。

選択肢文では、再び開始した後30日以内に自主検査となっているため、法令に違反します。

選択肢３は正しいです。

作業開始前の点検としては、巻過防止装置・ブレーキ・クラッチ・コントローラの機能と、ワイヤロープが通っている箇所の状態について点検を行うよう規定されています。

選択肢４は誤りです。

定期自主検査を行ったときは、その結果を記録し、これを3年間保存するように規定されています。

ただし、選択肢文のようにデリック検査証にその結果を記載する必要はありません。

選択肢５は誤りです。

定期自主検査又は作業開始前の点検を行い、異常を認めたときは、直ちに補修するように規定されています。

選択肢文では、次回の定期自主検査までに補修となっており、法令に違反します。

答えは(3)です。

解説

1.「1年以内ごとに1回行う定期自主検査における荷重試験は、つり上げ荷重に相当する荷重の荷をつって、つり上げ、旋回及びブームの起伏の作動を定格速度により行わなければならない。」は誤りです。

荷重試験は、デリックに定格荷重に相当する荷重の荷をつって、定格速度によって、つり上げ、旋回及びブームの起伏の動作を行う必要があります。

2.「1か月をこえる期間使用せず、当該期間中に1か月以内ごとに1回行う定期自主検査を実施しなかったデリックについては、その使用を再び開始した後30日以内に、所定の事項について自主検査を行わなければならない。」は誤りです。

1ヶ月を超える期間使用せず、当該期間中に1ヶ月以内ごとに1回行う定期自主検査を実施しなかったデリックについては、その使用を再び開始する際に、所定の事項について自主検査を行わなければなりません。

3.「作業開始前の点検においては、ワイヤロープが通っている箇所の状態について点検を行わなければならない。」は正しいです。

作業開始前の点検としては、クラッチ・ブレーキ・巻過防止装置・コントローラの機能と、ワイヤロープが通っている箇所の状態について点検を行わなければなりません。

4.「定期自主検査を行ったときは、デリック検査証にその結果を記載しなければならない。」は誤りです。

定期自主検査を行ったときは、その結果を記録し、これを3年間保存する必要がありますが、検査証に記載する必要はありません。

5.「定期自主検査又は作業開始前の点検を行い、異常を認めたときは、次回の定期自主検査までに補修しなければならない。」は誤りです。

定期自主検査又は作業開始前の点検を行い、異常を認めたときは、直ちに補修しなければなりません。

デリックの自主検査及び点検に関する問題です。

内容的にクレーンと似ていますが、デリック特有の内容も含まれているので順番に確認しておきましょう。