第一種電気工事士 過去問
令和6年度(2024年)下期
問11 (一般問題 問11)

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問題

第一種電気工事士試験 令和6年度(2024年)下期 問11(一般問題 問11) (訂正依頼・報告はこちら)

トップランナー方式で製造されていない三相誘導電動機について、ファン等の負荷機器はそのままで、電動機のみ同容量のトップランナー方式のものに更新する場合における留意点の記述として、誤っているものは。
  • 更新後は電動機が大きくなる場合がある。
  • 電動機の回転速度が増すため、負荷機器に与える運転能力への注意を要する。
  • 始動電流が小さくなるため、保護装置である配線用遮断器、電磁開閉器など適正化の検討が必要となる。
  • 電動機発生トルクが大きくなるおそれがあり、減速機と直結している場合、機械強度の適正化の検討が必要となる。

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この過去問の解説 (2件)

01

この問題を解くにあたり、重要なのはトップランナー方式の電動機の構造を正しく理解していることが必要となります。

 

トップランナー方式の電動機は、高効率化により定格電流は小さくなる傾向がありますが、始動電流は従来の電動機と同等か、それ以上になることが一般的です。したがって、選択肢3の「始動電流が小さくなる」という前提が誤っています。

選択肢1. 更新後は電動機が大きくなる場合がある。

これは、正解です。

トップランナー方式の電動機は高効率化のために鉄心の大型化などが必要になり、
従来のものより外形が大きくなることがあります。

選択肢2. 電動機の回転速度が増すため、負荷機器に与える運転能力への注意を要する。

これは、正解です。

高効率化によりスリップが減少し、同期速度に近づくため、回転速度が上昇し、
ファンなどの負荷機器の性能に影響を与える可能性があるからです。

 

選択肢3. 始動電流が小さくなるため、保護装置である配線用遮断器、電磁開閉器など適正化の検討が必要となる。

これは、不正解です。

トップランナー方式の電動機は、高効率化により定格電流は小さくなる傾向がありますが、始動電流は従来の電動機と同等か、それ以上になることが一般的です。したがって、「始動電流が小さくなる」という前提が誤っています。

 

選択肢4. 電動機発生トルクが大きくなるおそれがあり、減速機と直結している場合、機械強度の適正化の検討が必要となる。

これは、正解です。

高効率電動機はトルク特性が変わる場合があり、減速機と直結している場合は
過負荷による機械強度への影響を考慮する必要があります。

まとめ

この問題を解く際の注意事項をいかのようにまとめます。
 

トップランナー方式の特徴を理解します。
 

高効率化のため、構造や特性が変化します。
 

電動機のサイズ変化に注意します。

 

鉄心の大型化などにより、外形が大きくなる可能性があることを理解します。

 

回転速度の変化を考慮します。

 

スリップが減少し、回転速度が上昇することで負荷機器に影響を与える場合があることを理解します。

 

トルク特性が変化することを理解します。

 

高効率化によりトルクが大きくなり、減速機などの機械強度に影響を及ぼす可能性があることを理解します。

 

始動電流の特性に注意します。
 

高効率化によって定格電流は小さくなるが、始動電流は変わらないか増加することが多いということを理解します。

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02

この問題は、三相誘導電動機をトップランナー方式の高効率電動機に更新する際の留意点について、誤っている記述を選ぶものです。電動機の更新時には、負荷特性や運転条件に応じた注意点が必要となります。

選択肢1. 更新後は電動機が大きくなる場合がある。

高効率電動機は内部構造の変更などにより、従来型に比べて物理的なサイズが大きくなることがあります。この記述は正しいです。この選択肢は不正解です。

選択肢2. 電動機の回転速度が増すため、負荷機器に与える運転能力への注意を要する。

更新後の電動機が従来機と同じ定格回転速度を持つ場合、回転速度が変化することはありません。この記述は誤解を招く内容であり、不適切です。この選択肢は不正解です。

選択肢3. 始動電流が小さくなるため、保護装置である配線用遮断器、電磁開閉器など適正化の検討が必要となる。

トップランナー方式の電動機は高効率化を目的としているため、効率が低下することはありません。この記述は誤りです。この選択肢は正解です。

選択肢4. 電動機発生トルクが大きくなるおそれがあり、減速機と直結している場合、機械強度の適正化の検討が必要となる。

高効率電動機に更新した場合、トルクの増加が生じる場合もあり、機械的負荷に対する適正な設計が必要となるケースがあります。この記述は正しいです。この選択肢は不正解です。

まとめ

高効率電動機への更新では、効率が低下することはありません。そのため、効率が低下するとした記述は誤りです。更新時には、機械的構造や負荷特性、保護装置の適正化を含めた総合的な検討が必要です。

参考になった数10